映画


野口悠紀雄の映画・音楽・バレエ鑑賞室

このセクションでは、野口悠紀雄が映画・音楽・バレエなどについて、「独断と偏見」に基づく評価を行なっています。思い入れ満載もある半面で、辛口批評もあります。映画については、いわゆる「ネタバレ」になっているのもありますので、ご注意ください(ここで取り上げている映画は、筋が分かったところで価値が減るようなものではありませんが)。
青色の文字をタップ(クリック)してください。詳しい説明のページが開きます。

 

>>タルコフスキイの世界(その1)「サクリファイス」
最終戦争が勃発した瞬間
 
旧ソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキイの最後の作品「サクリファイス」には、世界最終戦争の・・・・(以後、詳しい説明のページに続く)

タルコフスキイの世界(その2)「ストーカー」
「ストーカー」とは、「密猟者」(隠れて目標に近づく人)という意味である。ロシア語のタイトルも「ストーカー」になっている。いまではこの言葉は「特定の人につきまとう人」のことを意味するが、この映画が作られた頃(1979年)には、そうした意味はなかった。・・・・(以後、詳しい説明のページに続く)

タルコフスキイの世界(その3)「鏡」
「鏡」は、旧ソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキーの1975年の作品。 どれも難解で、「人を眠らせる天才」と言われるタルコフスキーの作品の中でも・・・(以後、詳しい説明のページに続く)

タルコフスキイの世界(その4) 「惑星ソラリス」
「惑星ソラリス」は、私が最初に見たタルコフスキイの映画である。1970年代の末だったか、80年代の初めだったか、夏を過ごしていた札幌の場末の小さな映画館で見た(制作は72年。日本公開は77年)。
タルコフスキイが誰なのかまったく知らず、SF映画だからというだけの理由で見た。(以後、詳しい説明のページに続く)

 


「白鳥の湖」
「白鳥の湖」はどのDVDがよいか?
ベストは、ピエトラガラ
私は、バレエ「白鳥の湖」のDVDを20枚くらい持っているのだが、そのうちベストは何かと言えば、マリ=クロード・ピエトラガラのパリオペラ座版だ(以下、最初に示す名前は、オデット/オディール役)。<・・・・(以後、詳しい説明のページに続く)

 


「眠りの森の美女」のベストDVDは?
ベストはアーラ・シゾーワ
バレエ「眠りの森の美女」のベストDVDは何だろうか?
私は、絶対にアーラ・シゾーワのキーロフバレエ版だと思っている(以下、最初に挙げる名前は、オーロラ役)。 とくに素晴らしいのは、第2幕。リラの精の導きで現われる幻のオーロラの魅力的なこと。いまだに、これを超えるオーロラは出ていない。・・・・(以後、詳しい説明のページに続く)。

 

バレエ「くるみ割り人形」のDVDでベストは何か   ベストはイリーナ・ゴールプ
「くるみ割り人形」のベストはイリーナ・ゴールプのマリインスキイ版だと私は思う。この選択には、大いに異論があるだろう。「くるみ割り人形」と言えばマクシーモワと昔から相場が決まっていたし、最近では、カプツォーワの ボリショイ版に人気があるからだ。
イリーナ・ゴールプのマリインスキイ版は、あらゆる点で「異色・異端」である。振り付けや舞台装置がこれまでのものとは一変している。それだけでなく、主人公マーシャの性格付けが全然違う。
こうしたことがあるので、最初に見た時は、拒否反応を示す人が多いだろう。私も、最初はかなりの違和感を持った。しかし、・・・・(以後、詳しい説明のページに続く)。

 

  >>「風と共に去りぬ」
アイルランド移民の憎悪 新天地に渡ったアイルランド移民は、そこでも極貧の生活を強いられた。「風と共に去りぬ」も、アイルランド移民の物語である・・・・(以後、詳しい説明のページに続く)。

 

 >>アイルランドの情熱:リバーダンス
「リバーダンス」と言っても、ご存じない方が多いだろう。これは、アイルランドの伝統的なダンスをベースにして創作された・・・・(以後、詳しい説明のページに続く)

 

>>天才キューブリックの最高傑作:ドクター・ストレンジラブ
深刻なテーマほど喜劇化に向く  スタンレー・キューブリック監督の映画『ストレンジラブ博士』(一九六三年)は、私が最も好きな映画の一つだ・・・・(以後、詳しい説明のページに続く)

 

>>映画は終わりが肝心:「市民ケーン」の「薔薇のつぼみ」、アメリカン・グラフィティ、ソラリス、ストーカー
「市民ケーン」の「薔薇の蕾」   映画にも、最後の画面が強烈な印象を与えるものがある。わずか数秒間の映像が・・・・(以後、詳しい説明のページに続く)

 

 >>カリフォルニア映画街道
ボデガベイと「鳥」 アメリカ西海岸、シアトルからサンディエゴまでは・・・(以後、詳しい説明のページに続く) 

 

 >>ミーハー的魔笛論
映像技術が変えたオペラ鑑賞法
 技術が進歩すれば、音楽鑑賞の方法も変わる。映像技術の進歩によるオペラ鑑賞法の変化は、・・・(以後、詳しい説明のページに続く) 

 


エイゼンシュテイン賛歌(その1)「アレクサンドル・ネフスキイ」
旧ソ連の映画監督セルゲイ・エイゼンシュテインは、不朽の名作をいくつも残している。最高傑作は、1938年の「アレクサンドル・ネフスキイ」だと思う。
1240年、ロシアに侵入したドイツ騎士団をノヴゴロド公ネフスキイが撃破した史実に基づく物語だ。・・・(以後、詳しい説明のページに続く)

 

 

>>失われたボリショイのスターたち:ベスメルトノワ、マクシーモワ
新聞報道によれば、ボリショイ・バレエのソリストだったマイヤ・プリセツカヤが2015年5月2日に89歳で死去した。・・・・(以後、詳しい説明のページに続く)

 


マリンスキイの新星シャプラン
昨年の12月、ミラノ・スカラ座「ドンキホーテ」の東京公演で、キトリ役のポリーナ・セミオノワにまさかのドタキャンをされた。
前から3列目という信じられないような席を確保していたので、目の前が真っ暗になった。

裏切られた気持ちで、それ以来、彼女のDVDを見るのも嫌になってしまい、次の熱中対象を探していた。
マトビエンコ、コレゴバなどと彷徨ったあげく、マリインスキーの新作DVD「眠りの森の美女」で、クリスティーナ・シャプランという素晴らしい新星を発見。

シャプランは、リラ(ライラック)の精を踊っている。
プロローグで、4人の妖精たちのソロが終わってリラの精が登場する場面。実に素晴らしい。
これまで、キーロフ・バレエのカナダ公演でユリア・マハリナのこの場面が印象的で、彼女を超えるリラの精は現れないだろうと思っていたが、シャプランはそれに匹敵する。

この場面は、王女の誕生を妖精が祝う場面だから、単に楽しく踊っていればよいように思えるのだが、シャプランは、何とも言えない不思議な雰囲気をかもし出している。
DVDでは舞台と違って表情がよく分かる。笑顔ではあるのだが、決して平板な笑顔ではなく、悲しいようにも見えるし、何かを話したいようにも見える。

第2幕幻想の場。リラの精は引き立て役であり、観客の注意はオーロラ姫に集中し、普通はリラの精など忘れてしまう。しかし、このDVDではシャプランの魅力がありすぎ。
デジレ王子とオーロラ姫は会話を交わしているようには少しも見えないのに、王子とリラの精は沢山のことを話しあっているように見える。船に乗ってオーロラ姫の城に着き、王子は姫を百年の眠りから覚ましにいく。だが、リラの精と別れがたい。
彼は、オーロラ姫ではなく、リラの精に心を惹かれてしまったのではなかろうか?何度見ても、気になる。

シャプランは、主役のアリーナ・ソーモアを「食って」しまったのだ。
ソーモアは、これまで何度か主役を「食って」きた。「ドンキホーテ」では、森の女王を演じて、主役のノービコヴァを完全に食った。

「白鳥の湖」では4羽の大きな白鳥で現れて、私の印象ではロパートキナを食った。この頃のソーモアは初々しく、もっとも魅力的だったのではないだろうか?
それに引きかえ、このDVDのソーモアの、硬直的で魅力に乏しいこと。

シャプランは、ワガノワ2011年の卒業だが、すでにマリンスキイのファースト・ソリストになっている。マリインスキーのプリンシパルというのはとてつもなく難しいポジションのようで、なって当然と思われる人がなっていないが、彼女の場合は時間の問題ではないだろうか?

最後に一言。このDVDで、カラボスを演じているのが、何とイーゴリ・コールプ。これまで、カラボスなんてのはどうでもよい役だと思っていたが、コールプのすごい存在感。お蔭で、プロローグの位置づけがずっと上がった。